社会通念や倫理に反した倒錯的な要素を持つ性的嗜好

-解説-

「異常性癖」や「特殊性癖」と呼ばれることもあるが、それぞれ微妙に指している範囲が異なり、完全に一致する概念ではないとも言われている。
性的倒錯は厳密に言うと「精神医学において精神疾患と診断されること」を条件にしているが、一般人同士の会話で言及される際にはそこまで厳密な定義には則らず「倒錯的な性的嗜好」程度の意味で使われることが多い。

特定の性的嗜好が精神疾患と診断される目安として「当人がその性的嗜好によって心的な苦痛を持っており、日常生活に支障をきたしていること」「当人のみでなく、その周囲に居る人々や交友関係、所属するコミュニティの健全な生活を妨げていること」の2点が挙げられ、この2点にどちらも該当する場合は性的倒錯であると言えるだろう。

しかし、かつての社会通念や倫理に照らし合わせれば、現代では性的指向の1つとして知られている同性愛も性的倒錯として扱われていたことが想像に難くない。
現代ではごく普通のカップルでも行うフェラチオが、かつては神をも恐れぬド変態行為として扱われていた歴史も存在する。
何が正常で何が異常かは時代によって変化していくため、現代の性的倒錯が将来的には一般的な性的嗜好の1つになっている可能性は否定できない。