小説「マリア=ノルダール」後編

 マリアは今、俺の体に覆い被さっていない。さっきまで俺の股間に顔を埋めていた彼女は、人懐こい猫のようにベッドの上へ跳び乗ると、四つん這いになったまま顔をこちらに向けて俺の様子を伺っていた。まだ俺の体に普段通りの力は入らないが、多少動くくらいのことは出来る。もたもたとベッドの上で身じろいで体勢を変えた俺は、余裕そうにニヤつくマリアに少しイラっとして、唐突にそのやたら大きいおっぱいを鷲掴みにした。
「ひゃん……っ!?」
 余裕ぶったマリアの口から、はじめて可愛らしい声が漏れる。さっきからゆさゆさゆさゆさ目のやり場に困っていたんだ、こうなったらもう遠慮はしない。
 柔らかく、重みを感じる豊満なおっぱい。それを両手で両乳ともに持ち上げて、揉みしだく。昔読んだ雑誌で「女は胸を揉まれても気持ち良くない」とか書かれていたが、知るかそんなこと、俺が揉みたいから揉むんだよ。騙し討ちのように薬を盛って体の自由を奪ってくるような女への気遣いなど知ったことか。
「ちょっと乱暴だけど……ふふっ、良いわよ、好きなだけ触って」
「言われなくてもそうするさ」
 指が沈む、弾力で跳ね返される、「やわちち」と呼ぶのが相応しい胸の膨らみ。マリアは四つん這いから膝立ちに姿勢を変え、その綺麗な曲線を見せつける。ああ、好きなだけ触ってやる。マリアの挑発じみた発言に対してそう思いながら彼女の乳を揉み続けていると、不意に彼女の乳首が固く勃起して存在感を主張していることに気がついた。まるで……そう、ここも触ってくれと言わんばかりの存在感だ。
「っ……ぅあん!?」
 指の腹で乳首を撫でた途端、マリアはまたしても甘い声を漏らす。もしかしてこの魔女……余裕ぶっている割には、責められると弱いんじゃないか? そう思った俺は、試しに乳房を揉む手を休め、指先でマリアの乳首だけを執拗に責めてみた。
「これはどうだ?」
「んっ……! っ……ふ、ぅあ……」
 さっきまでの饒舌はどこへやら、急にマリアが静かになる。正解だ。この魔女、自分が責められると弱いぞ。声を抑えようとしているのが気に食わないが、それならば声が我慢出来なくなるまでこっちが責め続ければ良い話だ。
 俺は左手で乳首責めを続けながら、もう一方の手をマリアの股へと伸ばす。デカい胸で視界が塞がれるが、脚に触れたらそのまま上に手を滑らせていけばいい。その過程で太ももを撫でるのも、良い刺激になるだろう。